पुस्तक · こころ
पृष्ठ 45 / 185
लेखक: 夏目漱石
समय0:00
गति (WPM)0.0
सटीकता100.0%
स्टार्ट दबाएं और पंक्तियां सटीक टाइप करें। · बैकस्पेस अक्षम — गलती के बाद भी जारी रखें।
先生はすぐ返事をしなかった。私はそれを手応えのあったようにも思った。また的が外れたようにも感じた。仕方がないから後はいわない事にし
た。すると先生がいきなり道の端へ寄って行った。そうして綺麗に刈り込んだ生垣の下で、裾をまくって小便をした。私は先生が用を足す間ぼん
やりそこに立っていた。
「やあ失敬」
先生はこういってまた歩き出した。私はとうとう先生をやり込める事を断念した。私たちの通る道は段々賑やかになった。今までちらほらと見え
た広い畠の斜面や平地が、全く眼に入らないように左右の家並が揃ってきた。それでも所々宅地の隅などに、豌豆の蔓を竹にからませたり、金網
で鶏を囲い飼いにしたりするのが閑静に眺められた。市中から帰る駄馬が仕切りなく擦れ違って行った。こんなものに始終気を奪られがちな私は
、さっきまで胸の中にあった問題をどこかへ振り落してしまった。先生が突然そこへ後戻りをした時、私は実際それを忘れていた。
「私は先刻そんなに昂奮したように見えたんですか」
「そんなにというほどでもありませんが、少し......」
「いや見えても構わない。実際昂奮するんだから。私は財産の事をいうときっと昂奮するんです。君にはどう見えるか知らないが、私はこれで大
変執念深い男なんだから。人から受けた屈辱や損害は、十年たっても二十年たっても忘れやしないんだから」
先生の言葉は元よりもなお昂奮していた。しかし私の驚いたのは、決してその調子ではなかった。むしろ先生の言葉が私の耳に訴える意味そのも
のであった。先生の口からこんな自白を聞くのは、いかな私にも全くの意外に相違なかった。私は先生の性質の特色として、こんな執着力をいま
だかつて想像した事さえなかった。私は先生をもっと弱い人と信じていた。そうしてその弱くて高い処に、私の懐かしみの根を置いていた。一時
の気分で先生にちょっと盾を突いてみようとした私は、この言葉の前に小さくなった。先生はこういった。
स्टार्ट दबाएं और पंक्तियां सटीक टाइप करें।
शुरू नहीं हुआ